2025.09.20 07:23
稲妻の衝撃
さて、熱移動、熱伝導だけが時間の正体であるという、カルロや朝永の頭はどうなっているんだろうか。もちろん、ぼくにも最初は分からなかった。しかし、ようく考えているうちに稲妻のような衝撃が走った。分かりかけてきたんだ。深遠な物理学や量子論、ループ量子論なんかではなく、常識に降りてきた知恵である。衝撃だった。
ま、熱伝導が時間の正体であるとして論を進めよう。その評価は君の頭の中での今後の評価にお任せいたします。熱とは何か、については物体の動き、要は慣性の法則、つまり、物体に何も力がかからなければ、動いているものはそのまま動きっぱなし、止まっているものはそのまま止まりっぱなしという、ありふれた事実である。動いていること自体が熱の正体であって、止まっている別の物にぶつかったら、その別の物は動き出し、最初に一人で動いていたものは他の別の物に衝突したおかげで動きがその分弱まる。これで熱伝導が完了です。動き回っている最初のコップの水、このコップは熱いと感じる。われわれは熱いと感じる。もうひとつの別のコップには冷たい水が入っている。冷たいコップ。この冷たいコップの中の水分子はおとなしい粒ちゃんたちで、水分子一個一個の動きは鈍い、おとなしい。われわれには冷えたコップの水としか感じない。熱いコップの水を冷えたコップの水にそそぐ。それぞれの水分子がぶつかり合ってぬるくなる。熱い水分子、動きのすばやいものが、冷たい水分子、動きののろいものに衝突して、せっかちな動きは遅くなり、逆に冷たかった水分子のスローモーな動きは若干早くなる。熱い水がぬるくなり、冷たい水もぬるくなる。これが熱伝導というわけです。
すごく自然な成り行きでしょ。これが時間の正体ですね。われわれが時間の矢を感じる瞬間です。過去から現在へ、現在から未来へ、時間を感じる、時間の矢を感じる瞬間です。逆戻りはしません。時間の正体を感じる瞬間です。
稲妻の衝撃へ、話しを続けていいでしょうか、