2025.09.21 09:05
プレイバック
ある物体がある空間にこの位置にあって、ある角度である一定の力を加えるとどうなるか、数秒後にはこの位置に移動しているだろう。なんてことは、ガリレオやニュートンの物理公式で正確に予想できる。最初の物体の状態をA状態とし、予測結果となる状態を、B状態とする。これ、実験経過をビデオで撮っておきましょう。この実験録画を誰かに見てもらうと、単に数秒間の変哲のない録画だね。という感想でしょうね、たぶん。で、次に、このビデオを逆戻しで見てもらいましょう。さっきのビデオの逆戻しだね、という感想でしょうね、たぶん。
A状態からB状態の変化は物理公式をつかって予想通りの変化が生じてます。時間の流れに沿って、未来予測ができています。でね、最初がB状態であるとして、A状態に変化させるために必要な力の加え方、角度を逆算したら、その逆算値をガリレオやニュートンの最初につかった物理公式に入力したら数秒後にA状態になります。つまり、物理公式が適用できるということでもって、時間の矢の向きを確認できない。録画の正順再生と逆順再生は区別できないんです。先ほどの人ではなく別の人にビデオを見てもらいましょう。逆順再生の方を先に見てもらい、正順再生を後に見てもらいます。やっぱ同じ感想が戻ってくるでしょう。最初に見た再生は時間通りの再生だね、後に見た再生はプレイバック再生だ、と。
デルタサルディの公式以外の物理公式は時間の矢のあてにはならない。と言っておられるわけです。カルロさんや朝永さんは。つまりデルタサルディ公式以外のすべての物理公式は、時間が逆向きに流れていてもぴっちり適用される。しかしデルタサルディ公式は時間の矢が過去、現在、未来と流れているときにだけ正しく適用される。熱移動があれば、つまり、熱いものから冷たいものへ熱が移動していたら時間の矢の通りに時間が流れている。仮に冷たいものから熱いものへ熱が移動していたら、君はタイムマシンの中だよ、時間が逆向きに流れてるよ、というリトマス紙のようなものなんだ。
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